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みすてりい

予測不能な夏の贈り物——『サマー・プレゼント』

夏を感じるミステリーが盛りだくさん!どんでん返しの名手がおくる短編集。

 真夏の太陽が照りつけるなか、あなたに届けられたのは「驚き」の詰まったギフトボックス。アメリカの名匠が仕掛けた、短編ミステリー集『サマー・プレゼント』は、まさにそんな一冊だ。

この本の魅力は、何といっても息もつかせぬどんでん返しの数々。どの短編も、最初は穏やかな夏の日常を描いているのに、最後の数ページで一気にひっくり返される。読んでいるこちらの思考が完璧に裏切られる快感は、ミステリーファンならずともクセになること間違いなし。

たとえば、冒頭の「八月の亡霊」。主人公は湖畔の別荘で夏を過ごす少女。ある夜、彼女は水辺で見知らぬ子どもと出会う。しかし、その正体が明かされる瞬間、背筋が凍るほどの戦慄が走る。

また、「ビーチハウスの招待状」は、軽快なタッチで始まるが、ラスト数行で全ての伏線が炸裂し、読者は「あの一文が!」と震えること必至だ。

全体を通して、本書が描くのは単なるミステリーではない。夏の強い光と影、人間の欲望と隠された闇を巧みに織り交ぜ、読後にはひんやりとした余韻が残る。冷たい飲み物とともに、一気読みするのがオススメだ。

あのデーバだけあって、技巧の冴えも抜群。もし「どんでん返しもの」に飢えているなら、この夏、最高の贈り物として『サマー・プレゼント』を手に取ってみてほしい。

書籍情報
📖 『サマー・プレゼント』
著者:レスリー・デーバ
出版社:文夏出版
発売日:202X年X月X日
ISBN:XXX-XXXXXXX
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