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ルドン展 海へのまなざし 開催中です


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Highlights展覧会の見どころ

オディロン・ルドン作『死んだ魂の船』
オディロン・ルドン『死んだ魂の船』 キャンバスに油彩 Artvee

1. ルドンと海

オディロン・ルドン(Odilon Redon)は南フランスの港町ボルドーで生まれ育ちました。彼の作品は、幻想的で神秘的なテーマが特徴であり、夢や内面的な世界を表現することに特に重きを置いていました。ルドンは神話的な人物や色彩豊かな花の作品で知られていますが、海を描いた作品も多く残しています。非現実的な世界でありながら、画家が囲まれていたであろう南フランスの風景を感じ取ることができます。今回の『ルドン展 海へのまなざし』では、画家が実際に目にしていた海が、精神世界にどのようなイメージを与えたのかをたどります。

オディロン・ルドン作『水の守護霊』
オディロン・ルドン『水の守護霊』1878年 紙に木炭 Image via Art Institute of Chicago

2. 黒の表現:海

ルドンは版画(リトグラフ)という白黒の世界からそのキャリアを築き始めました。その世界は紙の白とインクの黒だけでできていましたが、ルドンはその抑えられた色彩の中で豊かな夢を育んだのです。ここでは画家の愛した黒で表現された海の作品をご紹介します。たった一色のインクを使うことによって、この海は見る人びとの心のままです。どうぞ海の色を楽しみながらご鑑賞ください。

オディロン・ルドン作『ラ・コキーユ: 右下、小さな貝殻、影の中』
オディロン・ルドン『ラ・コキーユ: 右下、小さな貝殻、影の中』 紙にパステル ©GrandPalaisRmn (Musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski

3. 貝

ルドンは海だけでなくそこから生まれる貝もモチーフとして好みました。描かれた貝は具体的な種類がわかるような描写のものもありますが、現実と幻想の中間にあるような、神秘的で抽象的な形状の貝がよく見られます。画家は貝を「自然が生んだ奇妙で不思議な形」としてとらえ、象徴的に扱いました。ボルドーには広大な砂浜や干潟で有名なアルカション湾があり、豊かな海洋生物や貝が生息していることで知られています。この湾がルドンの幻想的な「貝」に影響を与えたのかもしれません。

オディロン・ルドン作『ヴィーナスの誕生』
オディロン・ルドン『ヴィーナスの誕生』キャンバスに油彩 Artvee

4. 神話の中の海

ギリシャ神話は数多くの作家に影響を与えてきました。ルドンもサイクロプスやアポロンなど、ギリシャ神話の登場人物を好んで描いています。なかでも海と関係のある作品をご紹介します。
 セイレーンは上半身が人間の女性、下半身は魚の姿をした海の怪物で、美しい歌声で船人を惑わし食べてしまいます。しかしルドンの描くセイレーンは必ずしも女性ではないようです。
 ヴィーナスは『ヴィーナスの誕生』の説話でよく知られています。彼女は海から貝殻に乗って現れるのです。ルドンもこのシーンを数回にわたって描きました。

オディロン・ルドン作『ブルターニュの海辺の村』
オディロン・ルドン『ブルターニュの海辺の村』1880年頃 厚紙に油彩 open access images:Courtesy National Gallery of Art, Washington

5. ルドンが見た海

ルドンが幼少期を過ごしたボルドーの周辺には、大西洋につながるジロンド川や、広大な砂浜や干潟で有名なアルカション湾があります。その後ルドンはパリを拠点に活動するようになりますが、創作活動の合間にフランス各地を訪れることもありました。特にブルターニュには何度か訪れ、モルビアン湾の町ヴァンヌの街並みや漁村、砂浜の岩を描いています。ここでは比較的現実に近い作品を展示することで、画家が実際に歩き、目にした海の風景を追体験します。

Introduction作品紹介

  • Flower Clouds
  • ビーコン
  • 灰色の髪
  • アンドロメダ
  • 水中ビジョン: 視線のない黒い怪物
  • ブラッドフラワー:水域に立つ、正面から見た女性
  • ヴィーナスの誕生
  • 棘をまとったセイレーンが波間から現れた
左上から時計回りに『Flower Clouds』1903年 厚紙にパステル Image via Art Institute of Chicago /『ビーコン』 1883年,1893年頃に改訂 厚紙にパステル Image via Art Institute of Chicago /『灰色の髪』1900-05年 キャンバスに油彩 Artvee /『アンドロメダ』1904年 キャンバスに油彩 Image via Art Institute of Chicago/『水中ビジョン: 視線のない黒い怪物』紙にパステル © GrandPalaisRmn (Musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski/『ブラッドフラワー:水域に立つ、正面から見た女性』紙にパステル © GrandPalaisRmn (Musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski/『ヴィーナスの誕生』キャンバスに油彩 Wikipedia Commons/『棘をまとったセイレーンが波間から現れた』1883年 リトグラフ open access images:Courtesy National Gallery of Art, Washington

Overview開催概要

展覧会名ルドン展 海へのまなざし

会期2025年2月8日 [土] 〜 2025年5月7日 [水]

開館時間10:00 〜 17:00(金曜日は19:00まで) ※入館は閉館の30分前まで

休館日火曜日(ただし、2月11日[火・祝]、5月6日[火・祝]は開館)

会場YAMA MUSEUM [東京・上野公園]
〒110-8888 東京都台東区上野公園288-55

交通案内JR上野駅下車(公園口)徒歩3分
京成電鉄京成上野駅下車 徒歩5分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅下車 徒歩10分
※当館に駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください

お問い合わせ050-0000-000(ハローダイヤル)

主催YAMA MUSEUM、キュクロプス美術館、山海テレビ

後援ペガサス大使館

協賛オフィーリアグループ、象徴印刷、コキールホールディングス

頭のアニメーション

オディロン・ルドン『ブルターニュの海辺の村』 1880年頃 厚紙に油彩 open access images:Courtesy National Gallery of Art, Washington